2017年の歌ってみたカテゴリーに関する雑感

歌ってみた年次レビュー歌ってみた動画データ分析ニコニコ動画関連各種考察
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2017年もあと1日足らずで暮れようとしております。
おかげさまで、2017年6月には週刊歌らんは450回を迎え、11月には9周年となりました。そんなこんなで9年以上歌ってみた界隈を第三者的な立ち位置で主に再生数などといった数字を中心にみてきた流れで2017年をざっくりと振り返りますと2016年は

  • 歌ってみた10周年!
  • ボカロ歌ってみた完全復調
  • HoneyWorksが今年も伸びる
  • 外部プロモーションの場として使われる
  • 投稿数は実質的に増加傾向

といった年でした。

まず、歌ってみた10周年については「伝説のライブとして歴史に名を残した『ニコニコで歌ってみた10周年!同窓会ライブ』をレポート」という記事にまとめていますので、よろしければこの機会にあわせてこちらもご一読下さい。

そして2017年はなんといってもボカロ歌ってみたが完全に復調した、ということが上げられます。一部では現在のニコニコ動画におけるボカロシーンを砂漠に例えられる向きもありますが、歌ってみたというボカロ界隈最大の二次創作ジャンルから見ているとここ数年では最も多種多様のボカロ曲が歌ってみたに旋風を巻き起こしました。今年最も歌われたバルーンさんのシャルル(2016年投稿)

をはじめ、2017年投稿のボカロ曲だけでも
DECO*27さんの「ヒバナ」

バルーンさんの「雨とペトラ」「レディーレ」


Eveさんの「ナンセンス文学」「ドラマツルギー」


kemuさんの「拝啓ドッペルゲンガー」

ナユタン星人さんの「太陽系デスコ」「彗星ハネムーン」


ぬゆりさんの「フィクサー」

と実に9作品も300本以上の歌ってみたが投稿されるという年でした。例えば2014年は同年中投稿で300本以上の歌ってみたが投稿されたのは同じ9作品でしたが、当時の投稿本数は年間約10万5千本(2017年は約7万2千本)ですから占有率としてはかなり高くなっています。
曲調も様々で、改めてニコニコ動画におけるボカロシーンが復調しているということがこうした二次創作の状況からもうかがい知れます。

次はHoneyWorksの話題です。ボカロシーンが停滞していた時期に歌ってみたを支えてきたHoneyWorksが再びの映画上映ということもあり、大がかりなプロモーションをニコニコ動画において実施したようです。もともとニコニコ動画で活躍としていたメンバーだけあって、動画の展開方法もうまく、人気声優の歌ってみたとともにいち早くオケを提供して多くの人に歌ってもらうことでさらに動画数を増やして話題にしていくというのは歌ってみた側からするとWin-Winな展開であり、その結果、可愛くなりたい

やロメオ

が300本を超える投稿数となりました。おそらく来年以降もHoneyWorksはボカロと並ぶもう一本の柱として、歌ってみたを支えてくれるだろうと思われます。

4つ目はHoneyWorksの話題と重なるところですが、元々は散発的に行われていたニコニコ動画にプロがアップロードすることで話題にするというプロモーション手法をHoneyWorksが広くいい形で展開した結果、いまでは他のプロアーチストも行うようになっており、目立ったところですとBanG Dream!のAfterglow

EGOIST(chelly)


神田沙也加さん

といったところが歌ってみたに参入してきて話題となりました。かつて2014年に歌ってみたがプロモーションの場所として本格的に使われるようになったという分析をしましたが、このときは歌ってみた発のプロ歌い手を盛り上げるプロモーションでしたが、それがついにプロアーチストに関する各種プロモーションの場となるに至り、かなりのインパクトがありました。ただ、再生数やTwitterの動向などを見ているともう少し伸びても良かったのではないか、という動画があるのも事実で、さらに昨年と比べて数字の出方が厳しくなってきているプロモーションも散見されますので、今後どのような手法を採っていくのかを注視していきたいと思います。

2017年の新規総投稿本数は約7万2千本となり、昨年の10月第2週に続き、12月第3週にも一週間の投稿本数が1500本を切りました。ただ、年間を通して昨年とほぼ同じような状況であったこととニコニコ動画全体の投稿数が減少している中で、ほぼ同じ規模を保っている歌ってみたのインパクトはこれまで以上に高まってきており、投稿本数は実質的に増加傾向にシフトした、と考えても良いかと思います。昨年と同様、歌ってみた系アプリであるnanaやライブ配信サイトであるツイキャスから高音質を求めて参入してくる歌い手も着実に定着しはじめています。さらに2018年はバーチャルYouTuberが注目されている状況からの展開もありそうで、実際の投稿数も増加しないか、と期待しております。

毎年書いていることですが、一部で歌ってみたに関する誤った情報が流れている状況がちらほら見受けられます。歌ってみたの様々な情報を流すWebラジオプログラムやniconicoの公式チャンネルなどをご検討の企業団体、歌ってみたについて記事にまとめたいというメディアなどがございましたら9年以上第三者的な立ち位置で主に数字を中心に歌ってみたを俯瞰してきたものとして、最大限の協力をさせて頂きたいと思います。

2017年の歌ってみた界隈を2018年の予想も少し入れて思うままに書いてみました。見ている位置によって見える風景は違うとは思いますが、9年間数字を中心に歌ってみた界隈を見続けてきた私にはこんな感じに見えている、ということでご理解いただけますと幸いです。

2018年は、いよいよ週刊ニコニコ歌ってみたランキングが10年という節目を迎えます。企画は全くの白紙ですが、何かできたら良いなあ、と思っています。
さて、2018年の歌ってみたは果たしてどんな景色となりますでしょうか。それでは、皆様良い年をお迎えください!

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