いまのランキング動画に求められるもの――日刊VOCALOIDランキング廃刊に寄せて

ニコニコ動画関連各種考察
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全て:とりあえず作っただけです-ブロマガ
こちらのBLOGを拝見しまして、いまのランキング動画に求められることとは何か、ということを考察してみます。

結論から申し上げると「公式カテランでは判らない情報」ではないかと思います。

ランキング動画ファンである私から見ても週刊のランキング動画は最盛期の数字から比較するとかなりの減少です。特に東方・アイマス・VOCALOID(御三家)の各ランキング動画は激減しているといっても良いでしょう。御三家におけるランキング動画の果たした役割はかなり大きかったと思います。しかし、公式カテランが設定されたことで、ランキング動画のメインとなる役割はカテランに移りました。ランキング動画は視聴に一定の時間が必要になりますので、忙しくなってくるとどうしても見る時間が惜しくなり、公式カテランで良いか、ということになりがちです。その結果、再生数が全体的に減少の一途を辿っているのだと考えます。

私の作成している週刊ニコニコ歌ってみたランキング(週刊歌らん)は、現在初動一週間の再生数が1500~2000くらいになっています。一時期のバブル状態から見ると半減していますが、週刊ランキング動画の再生数としてはあまり落ち込んでいない状況で、2008年に作り始めた頃と同じくらいの再生数になっています。
週刊歌らんが激減というほど減っていないのは、新着ランキングの部のおかげだろうとと考えています。もともと週刊歌らんを作る段階で、歌ってみたは既にカテゴリ化しており、動向の確認は公式カテランを見れば良い状況でした。そこで公式カテランにない味付けとして、はじめから集計対象期間に投稿された新着動画だけのランキング部門を作るつもりでおりました。ただ、新着だけでは視聴者層はどうしても限られるため、総合30本を主体にそこから漏れた新着動画だけを扱うコーナーを設け、さらにエンディングについては新着動画だけのリストとしたのです。
当初はやはり新着よりも総合の方が着目されやすかったのですが、いまではどちらかというと総合ランキングよりも新着のリストで自分がどのくらいの位置にいるのかを確認される歌い手の方が増えている印象すらある状況です。
また、一定の視聴者が残って下さっている理由としては遅れないということがあると思っております。
ランキング動画というのは続けていくことがなんぼという世界でして、しかもほぼ毎回同じ時間にアップロードするという習慣性が重要だと思っています。一度タイミングがずれますと視聴習慣がなくなってしまう可能性すらあるジャンルです。
動画を作成する人とすればなるべく凝った動画にしたいと思うのは人情ですが、私はその感情極力排し、とにかく極力短時間で毎週安定して作成できるように全てをテンプレ化して対応しています。その結果、前日までの仕込み作業が2時間程度、当日作業はデータ確定に1時間弱、実制作作業に1時間強でこなしております。データ確定作業は当初帰宅後に作業しておりましたが、昨今のWi-Fi環境の整備と仕事場の移転で通勤時間が少し長くなったという2点が相乗効果となり、通勤の帰宅時間で作業をすることで更に時間短縮を図っています。
その結果、一人で作成している300号以上続いている週刊ランキング動画としてはおそらく唯一集計から24時間以内に動画をアップロードできている、という状況を生み出しました。これも再生数があまり減少していない理由だと思っています。

このように考えていきますといまの状況で求められるランキング動画は

  1. 公式カテランがない、公式カテランがある場合には公式カテランでは入手できない情報が載っている
  2. 同じようなタイミングでしっかりと出し続けられる

という点が重要だと考えます。


以上がどのランキング動画にも通じる分析でした。
それを踏まえて日刊のVOCALOIDランキング(日刊ぼからん)に求められることは何か、ということを考えてみたいと思います。
私はいまの日刊ぼからんが衰退した原因には、定刻概念の欠如があると考えています。日刊に必要なのは週刊以上に毎日同じ時間にアップロードされている習慣性を招く対応です。その上で、毎時や24時間公式カテランにはない切り口として、新着オリジナル曲のみ・所定のタグが付与、というオリジナリティがあれば良いと思います。
もう少し掘り下げます。
定刻概念については、正直週刊だとしても作者が一人ですと人力手動では対応しきれないと思います。これに関してはプログラムを組んで、全て全自動で対応するようにするしかないと思います。実はヤマハにはこの辺も期待していたのですが、どうやら日刊ぼからん創始者であるrankingloid氏と同じように手動での対応部分がかなり残っていたようです。全てを自動化してしまえば、ニコニコ動画側の抜き打ち仕様変更がない限り、毎日勝手にアップロードされていきます。
後者の公式カテランにない切り口として挙げた新着のみですが、公式カテランは過去のものも全て載っているので、そこから新着のものだけを抽出するのはかなりオリジナリティがあるといえます。また、所定のタグが付与ですが、こちらは「○○オリジナル曲」を抽出すれば良いと思います。付けないボカロPもいるかもしれませんが、それはすぱっと諦める、ということで良いと思います。ある程度は有志が勝手に付けてくれるでしょうし、さらに初動の再生に役立つと思ってもらえれば、投稿者側で予めロックした上で投稿するようになるでしょう。上にも書いたようにランキング動画ではある程度の犠牲は諦めてテンプレ化していくことも大事です。

なお、作業の流れとしては以下の方法が良いのでしないでしょうか。

  1. 公式スナップショット検索APIから前日5時0分~当日4時59分に投稿されている動画を抽出(※)
  2. 所定の計算式でポイント化した上位10本を全動画同じタイミング部分で切り出して動画化

(※2)公式スナップショット検索APIにはhttp://api.search.nicovideo.jp/api/snapshot/versionという更新時間を確認できる機能があるので、10分間隔程度で更新されているかを確認、新しくなっていたら取得というプログラムを書けば良いと思います。

紹介タイミングについては、産業総合技術研究所が開発しているSongriumのサビ抽出技術がこちらに応用できるとある程度の精度でサビを紹介できるようになるのですが……。ニコニコ技術部有志で産総研とタッグを組んで「日刊ランキング制作プロジェクト」とか立ち上げてもらえると嬉しいのですがいかがでしょう?

と、つれづれ書いて参りました。私の経験などを基にした考察にはなりますが、何かの参考になれば幸いです。

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